
皆さんこんにちは
布施工業の更新担当の中西です
さて今回は
~地盤トラブル~
ということで、基礎工事における代表的な地盤トラブルを解説し、その原因や防止策を分かりやすくご紹介します。
家づくりで最も大切なのは、見えない部分である「地盤と基礎」です。しかしこの“見えない部分”こそ、後から深刻な問題が発覚しやすい落とし穴でもあります。
症状:床が傾く/ドアが閉まらない/外壁に斜めの亀裂が入る
主な原因
地盤の支持力が不均一
軟弱な地層や埋戻し土が混在
地盤調査不足による設計ミス
防止策
スウェーデン式サウンディング試験やボーリング調査を施工前に実施
改良工法(柱状改良・鋼管杭など)を導入する
症状:地震後、地面が沈下/水が噴き出す/基礎が持ち上がる
主な原因
砂質地盤で地下水位が高い地域
十分な締固めがされていない盛土
防止策
液状化リスクのある地域では杭基礎や地盤改良の検討を
表層改良+ベタ基礎による対応も有効
症状:宅地の一部が沈む/擁壁の亀裂/排水トラブル
主な原因
盛土が十分に締固められていない
地盤の層構成が複雑で、均一な支持が得られない
防止策
造成時の地盤履歴を確認
地盤保証付きの調査・施工を行う
症状:施工後数年での沈下や構造クラック
主な原因:
改良深度不足/固化材の混合不良/設計荷重の誤差
防止策
改良計画に基づいた施工管理・試験結果の記録を残す
経験豊富な地盤改良専門業者を選ぶ
✅ 地盤調査は必ず「数カ所」で実施しているか
✅ 地盤改良工事に保証制度があるか
✅ 地盤の構成(地質図・ハザードマップ)を確認したか
✅ 工事記録や材料強度データを保管しているか
地盤トラブルは、建築後数年してから静かに顕在化することが多く、修復には大きな費用と手間がかかります。だからこそ、着工前の地盤調査・正確な設計・確実な施工が極めて重要です。
皆さんこんにちは
布施工業の更新担当の中西です
さて今回は
~工事の技法~
ということで、代表的な地盤の種類に応じた基礎工事の技法と、それぞれの特徴や適用条件について詳しく解説します。
住宅や建築物の安定性・耐震性は、すべて「基礎工事」によって決まると言っても過言ではありません。しかし、基礎工事は“どのような地盤に建てるか”によって大きく工法が異なります。
地盤が締まっており沈下リスクが小さい
表層に砂礫層、粘土層、ローム層などが存在
ベタ基礎(鉄筋コンクリートで一面を覆う)
地盤全体に力を分散しやすい
防湿性も高く、白アリ対策にも有効
布基礎(壁下に連続して基礎を配置)
軽量木造住宅に多く使用される
コストを抑えられるが、不同沈下にやや弱い
粘性土、埋め戻し土、地下水位がやや高いなど
自重による沈下の懸念がある
表層改良工法
セメント系固化材を混ぜて表層を固める(深さ2m程度まで)
コストを抑えつつ地盤を補強できる
ベタ基礎+防湿シート
地盤の沈下を抑えるとともに湿気対策も実施
粘性土、シルト、軟弱な埋立層
沈下・傾斜のリスクが非常に高い
柱状改良工法
地中にコラム状の固化体を作って建物の荷重を支える(3〜8m)
一般的な住宅でも多く採用される
鋼管杭工法
支持層まで鋼管杭を打ち込み、杭で建物を支える
高コストだが、支持力と耐久性に優れる
地下水位が高い地域に適する
小口径鋼管杭(摩擦杭)
自沈を利用した摩擦抵抗で支える
周辺建物への影響が少ないため都市部で活躍
基礎工事の工法選定には、事前の地盤調査が不可欠です。代表的な調査方法には:
スウェーデン式サウンディング試験(SWS)
ボーリング調査(標準貫入試験)
があります。特に軟弱地盤が疑われる場合、地層ごとの支持力や地下水位の確認は極めて重要です。
どれほど立派な設計の建物も、不適切な基礎工法では安定しません。地盤ごとの性質を正しく見極め、それに適した工法を選ぶことが、安心・安全な住まいの第一歩となります。