
皆さんこんにちは
布施工業の更新担当の中西です
さて今回は
~戸建ての基礎~
建物は基礎が9割。地盤・構造・生活動線まで見据えた設計と、現場での「段取り×検査×記録」で、ひび割れ・不同沈下・結露のリスクを遠ざけます。ここでは、戸建てで採用の多いベタ基礎/布基礎を中心に、工事の全体像と品質の勘所をまとめました。✨
ベタ基礎(底板一体のスラブ)
点荷重を面で受け、不同沈下に強い。防湿も取りやすく、近年は戸建ての主流。
布基礎(立上りが帯状)
軽量・コスト面の利点。地盤が良好で荷重が素直な平屋などに適するケースも。
迷ったら 地盤調査(スウェーデン式SWS等)と構造計算の前提で判断。地耐力に不安があるならベタ基礎+地盤改良が堅実。
遣り方・墨出し
通り芯・GL(基準高さ)・隅角の直角を確認。レーザーで誤差最小化。
根切り・床付け
掘削深さ・底面の締固め。雨後はポンプ排水でぬかるみゼロに。
砕石・転圧→防湿シート→捨てコン
C値(締固め度)を管理。防湿シートは重ね代100mm以上+テープ止め。
型枠組立
通り・鉛直・セパピッチを確認。面木で角欠け防止。
配筋
主筋・あばら筋・定着長さ、**かぶり厚(底板60mm目安)**をスペーサーで確保。
アンカーボルト・ホールダウン
通り芯・高さをゲージで確認。倒れ防止の仮固定を確実に。
コンクリート打設
スランプ・空気量・温度の受入検査→均し→過振動禁止→仕上げ。
養生
夏:散水・シート/冬:保温・防露。早期荷重は厳禁。
型枠解体→立上り→基礎パッキン
換気・断熱計画に合わせて納まりを確認。
埋め戻し・是正・清掃
配管周りは締固めと勾配を最終点検。
レベル(±5mm目安)、直角(対角差)、かぶり厚は実測→写真台帳に残す
コンクリ受入試験:スランプ・空気量・温度・塩化物量
試験体で圧縮強度を確認(脱型・上棟の判断にエビデンス)
撮影は「全景→部位→寸法アップ」の3点セット。是正後は同アングルで再撮が鉄則。
ジャンカ(豆板):入隅の締め不足→先行充填+軽振動
ひび割れ:温度ひび割れ対策に散水・保温養生/配合・打継ぎ管理
アンカー位置ズレ:型紙(治具)+2人確認/コンクリ硬化前の微調整を想定
基礎断熱(内/外):結露計算に基づき防湿ラインと連携
防蟻:土壌処理+立上りの物理的バリア(基礎パッキン)
防湿:土間下のシート+貫通部テーピングで気流止め
砕石厚・捨てコン厚、鉄筋径・ピッチ、ベース・立上りの寸法
アンカー/ホールダウンの本数・規格
断熱・防蟻・防湿の仕様/写真台帳・試験体の有無
残土処分・ポンプ・養生・雨天順延の取り扱い
基礎は地盤×設計×現場管理の総合格闘技。数字と記録で“当たり前の品質”を再現します。現地調査・概算見積りは無料。図面がなくても写真でご相談OKです。
皆さんこんにちは
布施工業の更新担当の中西です
さて今回は
~現場は“止める判断”も仕事のうち!~
今回は多くの方からよく聞かれる、「雨の日の基礎工事ってどうするの?」という疑問にお答えします。
外仕事が中心の基礎工事にとって、天候の影響はとても大きな課題。
特に雨の日は、作業の進行や品質に直接関わるため、慎重な判断が求められます。
たしかに、雨が降ると「工事はできないんじゃないの?」と思われがちですが、実際の現場では天気と向き合いながら、“できる作業”を見極めて進行しています。
コンクリートは雨に非常に弱い素材。
打設中に強い雨が降ると、表面が荒れたり、強度不足を招くおそれがあります。
そのため、
✅ 事前に天気予報をしっかり確認
✅ 必要であれば工程を変更・延期
といった判断が欠かせません。これは、現場監督の腕の見せどころでもあります!
天気が悪くても「何もできない」というわけではありません。
以下のような作業は、雨でも進められる可能性があります。
濡れると使えなくなる資材や工具を適切に管理・移動しておくことで、後の工程がスムーズになります。
型枠のズレや破損を確認・補修する作業は、雨でも可能。次の打設作業の品質を保つうえで重要です。
仮設の屋根やビニールシートを使えば、軽度の雨でも鉄筋組み作業ができる場合があります。
外から見ると「工事が止まっている」ように見えても、それは安全と品質を守るための大切な判断。
雨の日に「何ができて、何をすべきでないか」を判断し、段取りや準備に回ることこそが、プロの現場対応です。
✅ 雨の日は“止める判断”も重要な仕事
✅ 雨でも進められる作業を見極める判断力が求められる
✅ 品質・安全・効率のバランスをとりながら柔軟に対応!
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皆さんこんにちは
布施工業の更新担当の中西です
さて今回は、
~現場のプロになるための第一歩!~
建築や土木の仕事に興味がある方の中には、「基礎工事をやってみたい!」という方も多いのではないでしょうか?
建物を支える“見えない主役”ともいえる基礎工事には、専門的な技術と知識、そして現場で活きるスキルが必要です。
今回は、基礎工事に携わるために必要な資格と身につけておきたいスキルを、わかりやすくご紹介します!
現場全体を監督・管理する立場を目指すなら、必須の国家資格です。
施工計画、安全管理、品質管理などを行うために必要な知識が身につきます。
バックホー(ユンボ)やブルドーザーなど、重機を操作するために必要な資格。
整地や掘削、地盤の締固め作業に不可欠です!
重い資材や型枠などを吊り上げたり、移動させたりするための資格。
クレーンとの連携作業が多い基礎工事では、安全な作業の要になります。
基礎部分の強度や形状を整える上で、職人技が問われる分野。
資格を取得することで、スキルの証明になり、現場でも信頼を得やすくなります。
材料の準備、工程の把握、重機の手配…すべてを段取りよく進めることが、基礎工事ではとても重要です。
「何を、いつ、どうやるか」を常に先読みするスキルが求められます。
基礎工事は、一人では決してできない仕事。
周囲との連携や声掛け、安全確認をしながら、一つの工程を協力して進めていきます。
夏の炎天下や冬の寒さの中でも、正確な作業が求められるのが基礎工事。
「健康管理」も含めて、自分の体をしっかりとケアできる人が、長く活躍できる現場人です。
基礎工事に興味があるなら、まずは「体験してみる」「見学する」「現場で働いてみる」ことが一番の近道。
資格取得のサポートを行っている企業も多く、未経験からプロを目指すことも可能です。
基礎があるから、建物が建つ。
あなたの手で、“未来の土台”を作ってみませんか?
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皆さんこんにちは
布施工業の更新担当の中西です
さて今回は
~地盤トラブル~
ということで、基礎工事における代表的な地盤トラブルを解説し、その原因や防止策を分かりやすくご紹介します。
家づくりで最も大切なのは、見えない部分である「地盤と基礎」です。しかしこの“見えない部分”こそ、後から深刻な問題が発覚しやすい落とし穴でもあります。
症状:床が傾く/ドアが閉まらない/外壁に斜めの亀裂が入る
主な原因
地盤の支持力が不均一
軟弱な地層や埋戻し土が混在
地盤調査不足による設計ミス
防止策
スウェーデン式サウンディング試験やボーリング調査を施工前に実施
改良工法(柱状改良・鋼管杭など)を導入する
症状:地震後、地面が沈下/水が噴き出す/基礎が持ち上がる
主な原因
砂質地盤で地下水位が高い地域
十分な締固めがされていない盛土
防止策
液状化リスクのある地域では杭基礎や地盤改良の検討を
表層改良+ベタ基礎による対応も有効
症状:宅地の一部が沈む/擁壁の亀裂/排水トラブル
主な原因
盛土が十分に締固められていない
地盤の層構成が複雑で、均一な支持が得られない
防止策
造成時の地盤履歴を確認
地盤保証付きの調査・施工を行う
症状:施工後数年での沈下や構造クラック
主な原因:
改良深度不足/固化材の混合不良/設計荷重の誤差
防止策
改良計画に基づいた施工管理・試験結果の記録を残す
経験豊富な地盤改良専門業者を選ぶ
✅ 地盤調査は必ず「数カ所」で実施しているか
✅ 地盤改良工事に保証制度があるか
✅ 地盤の構成(地質図・ハザードマップ)を確認したか
✅ 工事記録や材料強度データを保管しているか
地盤トラブルは、建築後数年してから静かに顕在化することが多く、修復には大きな費用と手間がかかります。だからこそ、着工前の地盤調査・正確な設計・確実な施工が極めて重要です。
皆さんこんにちは
布施工業の更新担当の中西です
さて今回は
~工事の技法~
ということで、代表的な地盤の種類に応じた基礎工事の技法と、それぞれの特徴や適用条件について詳しく解説します。
住宅や建築物の安定性・耐震性は、すべて「基礎工事」によって決まると言っても過言ではありません。しかし、基礎工事は“どのような地盤に建てるか”によって大きく工法が異なります。
地盤が締まっており沈下リスクが小さい
表層に砂礫層、粘土層、ローム層などが存在
ベタ基礎(鉄筋コンクリートで一面を覆う)
地盤全体に力を分散しやすい
防湿性も高く、白アリ対策にも有効
布基礎(壁下に連続して基礎を配置)
軽量木造住宅に多く使用される
コストを抑えられるが、不同沈下にやや弱い
粘性土、埋め戻し土、地下水位がやや高いなど
自重による沈下の懸念がある
表層改良工法
セメント系固化材を混ぜて表層を固める(深さ2m程度まで)
コストを抑えつつ地盤を補強できる
ベタ基礎+防湿シート
地盤の沈下を抑えるとともに湿気対策も実施
粘性土、シルト、軟弱な埋立層
沈下・傾斜のリスクが非常に高い
柱状改良工法
地中にコラム状の固化体を作って建物の荷重を支える(3〜8m)
一般的な住宅でも多く採用される
鋼管杭工法
支持層まで鋼管杭を打ち込み、杭で建物を支える
高コストだが、支持力と耐久性に優れる
地下水位が高い地域に適する
小口径鋼管杭(摩擦杭)
自沈を利用した摩擦抵抗で支える
周辺建物への影響が少ないため都市部で活躍
基礎工事の工法選定には、事前の地盤調査が不可欠です。代表的な調査方法には:
スウェーデン式サウンディング試験(SWS)
ボーリング調査(標準貫入試験)
があります。特に軟弱地盤が疑われる場合、地層ごとの支持力や地下水位の確認は極めて重要です。
どれほど立派な設計の建物も、不適切な基礎工法では安定しません。地盤ごとの性質を正しく見極め、それに適した工法を選ぶことが、安心・安全な住まいの第一歩となります。
皆さんこんにちは
布施工業の更新担当の中西です
~今後~
前回は基礎工事と環境の関係についてお話ししましたが、今回は視点を未来に移して、「これからの基礎工事はどう変わるのか?」をテーマにお届けします。
AIやIoTといったテクノロジーの進化、人口減少による人手不足、そして地球環境への意識の高まり…。これらすべてが、基礎工事の現場にも確実に影響を及ぼし始めています。
最近の土木・建設業界では、「ICT施工(情報化施工)」というキーワードが頻繁に使われています。
これは、ドローンや3Dスキャナー、GPS、ICT重機などを使って、施工前・施工中・施工後のすべてをデジタルで可視化・共有・管理する方法です。
特に基礎工事では、
掘削深度や精度の自動制御
鉄筋配置の3Dチェック
施工記録のデータ保存・共有
などが可能となり、「人が見えない部分」を正確に管理できるようになることで、施工品質の向上とトラブル削減に直結します。
建設業界の最大の課題ともいえる「人手不足」。
とくに重労働で専門性の高い基礎工事では、若手の担い手が減少しつつあります。
その対策として期待されているのが、
自動掘削ロボット
AI搭載の建設機械
ARを使った現場指示
などの省人化・自動化技術です。
完全に無人化するのはまだ先かもしれませんが、「少人数で高精度な施工ができる」仕組みは、間違いなく未来の標準になります。
地球温暖化対策の一環として、建設業界でも「脱炭素」が求められています。
基礎工事も例外ではありません。
将来のトレンドとして注目されているのは、
CO₂を吸収する特殊コンクリート
再生骨材を活用した基礎材
現場での再利用を前提とした型枠設計
など、材料選びや設計段階から環境負荷を減らす取り組みが進んでいます。
国や自治体の補助制度も整ってきており、「サステナブルな基礎づくり」が加速していくでしょう。
未来の基礎工事現場では、「人の勘」よりも「データに基づく判断」が主流になります。
現場カメラで自動記録
タブレットで施工図面を即確認
センサーでコンクリートの硬化をリアルタイム監視
天候や地盤の変化をAIが予測し、工程を自動調整
こうしたスマート施工管理により、無駄なやり直しや工程遅れが減り、品質も安全性も大幅に向上する未来がやってきます。
技術や材料がどれだけ進化しても、現場を管理し、トラブルを未然に防ぐ人の力は今後も不可欠です。
だからこそ、これからの基礎工事のプロには、
テクノロジーへの理解
環境・法令への対応力
地域とのコミュニケーション能力
など、「現場をマネジメントする総合力」が求められてきます。
“ただの工事”ではなく、“社会の基盤をつくる”という意識が、これからの基礎工事人材には欠かせない時代です。
見えない部分だからこそ、そこに最新技術と深い配慮を込める時代がやってきています。
未来の建設業は、「丈夫で早い」だけでなく、「賢く、持続可能で、地域に愛される」がキーワードになっていくでしょう。
皆さんこんにちは
布施工業の更新担当の中西です
~環境~
今回は、普段なかなか表に出ない「基礎工事」と「環境」の関係について、じっくりお話ししていきます。
基礎工事は、建物の土台を支える最も重要な工程のひとつ。でも実は、それが“環境に優しいかどうか”という視点も、近年とても注目されているんです。
基礎工事とは、建物の重みを地盤にしっかりと伝えるための土台をつくる工事のこと。
建物がどれだけ立派でも、その下の地盤や基礎が不安定であれば、倒壊や沈下の原因になってしまいます。
一般的な基礎工法には、以下のような種類があります:
ベタ基礎(全面に鉄筋コンクリートを打設)
布基礎(建物の壁下に沿って連続的に基礎をつくる)
杭基礎(地盤が弱い場合に杭を深く打ち込んで支える)
この基礎づくりがどのように「環境」と関わっているのでしょうか?次にそのポイントを見ていきましょう。
基礎工事では、地面を掘削したり、コンクリートを打ったりといった作業が必要です。
これにより、土壌の構造が変わるほか、地下水の流れが変化したり、濁った水が流出するリスクもあります。
とくに都市部や河川沿いでは、こうした影響が近隣環境に波及しないよう、掘削土の適切な管理や、濁水処理の徹底が求められています。
基礎工事では、大量の「掘削土(建設発生土)」が発生します。
これをそのまま廃棄するのではなく、**再利用(盛土材や埋戻し材)**として活用することで、環境負荷を減らすことができます。
また、型枠やコンクリート打設に使用する資材の中には、一度限りで廃棄されるものもあるため、こうした建設副産物のリサイクルも、今後の環境配慮のカギとなっています。
意外に知られていませんが、コンクリートの製造過程では大量のCO₂が発生します。
セメント1トンをつくるのに、約0.8トンのCO₂が出るとも言われています。
そのため近年では、
エコセメント
高炉スラグ入りコンクリート
炭素吸収型コンクリート
など、環境負荷の少ない材料の使用が推奨されてきています。基礎工事の材料選定ひとつ取っても、実は環境配慮が求められる時代なのです。
基礎工事では、掘削機やクレーン車など、多くの建設重機を使用します。
これらの重機が使う燃料は主に軽油であり、当然ながら温室効果ガス(CO₂)排出の要因となっています。
そこで注目されているのが、
ハイブリッド重機
電動掘削機
アイドリングストップ技術
など、省エネ技術の導入です。重機メーカーも環境対応型モデルを続々と開発しており、基礎工事の現場でも少しずつ導入が始まっています。
環境といえば自然だけでなく、地域住民への配慮も含まれます。
基礎工事では掘削や杭打ちなどで大きな振動や騒音が出やすいため、
防音パネルの設置
粉じん飛散防止の散水
低騒音型の重機使用
といった工夫が、現場レベルで求められています。地域と共存できる工事体制が、環境配慮の第一歩とも言えるでしょう。
表に出にくい工事だからこそ、環境への意識を持って取り組むことが、これからの建設業界には不可欠です。
未来の街づくりの“足元”を支える存在として、基礎工事はまさに“縁の下の力持ち”ですね。