布施工業
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布施工業の基礎講座

皆さんこんにちは

布施工業の更新担当の中西です

 

さて今回は

~工事の技法~

ということで、代表的な地盤の種類に応じた基礎工事の技法と、それぞれの特徴や適用条件について詳しく解説します。

 

住宅や建築物の安定性・耐震性は、すべて「基礎工事」によって決まると言っても過言ではありません。しかし、基礎工事は“どのような地盤に建てるか”によって大きく工法が異なります。


地盤の種類と基礎工法の選び方

1. 【良好地盤】(支持力:50~100kN/m²以上)

■ 主な特徴
  • 地盤が締まっており沈下リスクが小さい

  • 表層に砂礫層、粘土層、ローム層などが存在

■ 採用される基礎工法
  • ベタ基礎(鉄筋コンクリートで一面を覆う)

    • 地盤全体に力を分散しやすい

    • 防湿性も高く、白アリ対策にも有効

  • 布基礎(壁下に連続して基礎を配置)

    • 軽量木造住宅に多く使用される

    • コストを抑えられるが、不同沈下にやや弱い


2. 【やや軟弱地盤】(支持力:30〜50kN/m²)

■ 主な特徴
  • 粘性土、埋め戻し土、地下水位がやや高いなど

  • 自重による沈下の懸念がある

■ 採用される基礎工法
  • 表層改良工法

    • セメント系固化材を混ぜて表層を固める(深さ2m程度まで)

    • コストを抑えつつ地盤を補強できる

  • ベタ基礎+防湿シート

    • 地盤の沈下を抑えるとともに湿気対策も実施


3. 【軟弱地盤・埋立地】(支持力:30kN/m²未満)

■ 主な特徴
  • 粘性土、シルト、軟弱な埋立層

  • 沈下・傾斜のリスクが非常に高い

■ 採用される基礎工法
  • 柱状改良工法

    • 地中にコラム状の固化体を作って建物の荷重を支える(3〜8m)

    • 一般的な住宅でも多く採用される

  • 鋼管杭工法

    • 支持層まで鋼管杭を打ち込み、杭で建物を支える

    • 高コストだが、支持力と耐久性に優れる

    • 地下水位が高い地域に適する

  • 小口径鋼管杭(摩擦杭)

    • 自沈を利用した摩擦抵抗で支える

    • 周辺建物への影響が少ないため都市部で活躍


地盤調査の重要性

基礎工事の工法選定には、事前の地盤調査が不可欠です。代表的な調査方法には:

  • スウェーデン式サウンディング試験(SWS)

  • ボーリング調査(標準貫入試験)

があります。特に軟弱地盤が疑われる場合、地層ごとの支持力や地下水位の確認は極めて重要です。


基礎工事は“地盤との対話”から始まる

どれほど立派な設計の建物も、不適切な基礎工法では安定しません。地盤ごとの性質を正しく見極め、それに適した工法を選ぶことが、安心・安全な住まいの第一歩となります。